【2月8日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者で、スウェーデンでの性犯罪容疑で英国で逮捕されたジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者(39、保釈中)について、スウェーデンへの身柄引き渡しをめぐる審理が英ロンドン(London)の治安判事裁判所で7日、2日間の日程で始まった。

 スウェーデンで女性1人を強姦し、1人にわいせつな行為を働いたとされる容疑について、スウェーデン検察は本人から事情聴取したいとして、英国に身柄の引き渡しを求めているが、アサンジ容疑者側はスウェーデン当局の動きは政治的動機に基づいたものだと主張し、さらに性犯罪容疑を否定している。

 初日の審理の冒頭、ジェフリー・ロバートソン(Geoffrey Robertson)弁護士は、アサンジ容疑者がスウェーデンへ引き渡され、そこからさらに米国へ移送されれば、ウィキリークスに関連する複数の容疑で米国で起訴され、死刑判決を受ける可能性があると述べた。

 また、スウェーデンでは性的容疑に関する裁判が非公開で行われ、公正な裁判が受けられず、アサンジ容疑者の人権が深刻に侵害されると主張した。さらに弁護団は、アサンジ容疑者はいかなる容疑でも正式起訴されていないとして、身柄の引き渡しを拒否すると見込まれている。

 裁判所は2月中に判断を下すと見込まれている。アサンジ容疑者に不利な判断が下された場合、同容疑者は最高裁まで上訴して争える。(c)AFP/Danny Kemp