【2月7日 AFP】南米チリ領のイースター島(Easter Island)警察は6日、6か月にわたって他人の所有地を不法占拠していたとして、先住民17人を強制退去させた。先住民らは、不法に奪われた所有地にホテルを建設されたと抗議しており、この問題は国際的な注目を集めている。

 問題となっているのはハンガロア・エコビレッジ&スパ(Hangaroa Eco Village and Spa)の建設された土地。先住民らは、土地を不法に奪われ、チリの有力一家、シエス(Schiess)家に売られたと抗議している。

 前年12月にも警官らが強制退去を執行、20人が負傷する騒動となり、毎年5万人の観光客が訪れるリゾート地に動揺が起きていた。

 イースター島の先住民ラパヌイ(Rapa Nui)は、有名な石像「モアイ像」を建造した人びとで、現在はおよそ4000人が同島で暮らしている。

 先住民の1人、Marisol Hitoさんは1970年にチリ政府に所有地を20年の期限で貸したはずだったのに、1995年にシエス家に売られてしまっていたと語る。

 ハンガロア側は、ウェブサイトで「ラパヌイの人びとにも門戸を開いている。美術館やショップ、映画館やイベントルームを訪問するよう呼びかけ、一緒に働かないかと誘っている。他にも、訪問客と地元住民が交流できる場所も設置した」と説明している。(c)AFP