【1月9日 AFP】内部告発サイト、ウィキリークス(WikiLeaks)は8日、米政府がマイクロブログサービス、ツイッター(Twitter)にウィキリークス創始者や支援者計4人の個人情報を提供するよう要請したと発表した。

 ウェブサイト「Salon.com」が最初に掲載し、AFPも入手した文書によると、米バージニア(Virginia)州の連邦検事がツイッターに対し、ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者、ウィキリークスに情報を漏らしたとされる米陸軍のブラッドリー・マニング(Bradley Manning)特技兵、さらにウィキリークス支援者2人の計4人について、2009年11月1日から現在までの個人的なメッセージ、連絡先、クレジットカード番号の提供を求めたという。

 ウィキリークスは、この要請は米国務省の依頼で行われたとしている。要請は秘密裏に行われたが、5日になって判事がその事実を公にすることを認めた。ツイッターから4人に要請があった事実を知らせ、4人に法的措置をとる機会を与えるためとみられる。

■アイスランドの国会議員も対象に

 4人のうちの一人、アイスランドの国会議員でウィキリークスの支援者であるビルギッタ・ヨンスドティル(Birgitta Jonsdottir)氏は、情報提供の要請の事実を公にすることが認められた2日後にツイッターから電子メールが届き、「あなたから(米政府への個人情報の提供をさせないための)法的措置を取るという通知を受け取るか、何らかの形でこの問題が解決されない限り、このメールの日付から10日後にツイッターは情報提供の要請に対応する」との連絡を受けたという。

 ヨンスドティル氏はこの件についてすでにアイスランドの法相に連絡を取り、駐アイスランド米大使と会って抗議する意向を示している。

 アイスランド政府も米国を批判しており、オッシュル・スカルプヘイジンソン(Oessur Skarphedinsson)外相は同国の公共ラジオに「私が見た文書から判断して、わが国の国会議員が何の理由もなく米国で犯罪捜査を受けた。選挙で選ばれた国民の代表がこのような扱いを受けるのは容認できない」と語り、アイスランド駐の米大使を呼んでこの問題について協議する方針を示した。

■グーグル、フェースブックはすでに情報を提供?

 ウィキリークスによると、米政府はグーグル(Google)と米SNSフェースブック(Facebook)にもすでに同様の要請を行い、両社は利用者に通知することなく米政府の要求に応じたという。米司法省の報道官はこの件についてのコメントを拒否した。フェースブックもこの件について「現時点でコメントはない」としている。(c)AFP/Rita Devlin Marier