【1月9日 AFP】10代の少年3人が1993年に銃で人を脅し11ドル(約900円)を奪った強盗事件の共犯として2回分の終身刑を言い渡され、16年間服役していた米ミシシッピ(Mississippi)州の黒人姉妹が7日、妹から姉への腎臓提供を条件に釈放された。

 姉妹の服役は、白人よりも黒人に重刑を科すことが多いという米国司法の黒人への不当量刑の象徴となっていた。

 姉のジェイミー・スコット(Jamie Scott)受刑者はこぼれる涙をふきながら、「塀の中の日々があまりに辛くて、塀の外に出られる日が来るとは思ってもいなかった。これでちゃんとした治療が受けられる。感謝しています。とても感謝しています」と語った。

 腎疾患のある姉のジェイミー受刑者に、妹のグラディス・スコット(Gladys Scott)受刑者が腎臓を提供するという条件のもとで、同州のハーレー・バーバー(Haley Barbour)知事は前月、両受刑者の釈放を決定していた。

 2人の間の腎臓移植が可能なのかはまだわかっておらず、これから検査が行われる。仮に妹の腎臓が合わなければ、新たにドナーを探すことになる。

 地元メディアによると、スコット姉妹は、フロリダ(Florida)州で母親と子どもたちと一緒に暮らす計画を立てている。(c)AFP/Karin Zeitvogel

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