街でただ1人の警察官、麻薬団に拉致される メキシコ
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【12月29日 AFP】メキシコ北部チワワ(Chihuahua)州グアダルーペ(Guadalupe)で23日、女性警察官のエリカ・ガンダーラ(Erika Gandara)さん(28)が武装グループに拉致された。州捜査当局が27日、明らかにした。激しい麻薬抗争が続くグアダルーペでは、警察官が相次いで殺害されたり辞職したりしたため、ガンダーラさんがただ1人の警察官だった。
目撃情報によると、銃で武装した男ら10人あまりがガンダーラさんの自宅に放火し、ガンダーラさんを拉致した。屋外に駐車していた車両2台も燃やされたという。
米国との国境に近いグアダルーペは人口9000人の街。このあたりはメキシコ国内で最も麻薬をめぐる抗争が激しい地域で、2010年だけで3100人が死亡している。
独身のガンダーラさんがグアダルーペ警察で勤務を始めたのは2009年。当時は同僚警察官が12人いた。だが麻薬抗争に巻き込まれて次々と同僚を失ったガンダーラさんは、最近は自動式拳銃を手に、ただ1人で市内をパトロールしていた。
ガンダーラさんはことしAFPの取材に対し、「誰もこんな危険なところで警察の任務にあたりたくない。そもそも警官を雇う予算もない」と語っていた。(c)AFP