【12月24日 AFP】クリスマス・イブ前日の23日、イタリアン・マフィアの大拠点のひとつ、シチリア(Sicilia)島で、あるマフィアは思わず動転した――みかじめ料代を巻き上げて出てきた店先で、菓子を配っていたサンタクロースにいきなり、ゆすりの現行犯で逮捕されたからだ。

 実はサンタクロースは、警察のおとり捜査官だった。カターニア(Catania)の街にあるこの店は、10年にもわたって毎月260ユーロ(約2万8000円)のみかじめ料をマフィアに払うよう強要されていた。ここ数日、警官がサンタクロースの格好をして張り込み、御用となった。

 イタリアのテレビ映像によると、思わぬクリスマスを迎えたのは、シチリア・マフィアのファミリー、サンタパオラ(Santapaola)に所属するサルバトーレ・ポリッティーニ(Salvatore Politini)容疑者(37)とみられる。

 逮捕されたとき、容疑者が持っていた陶器の皿の上にはイタリア伝統のクリスマス菓子、パネトーネがあった。警察では、これも他の被害者から「ゆすった戦利品」とみている。(c)AFP

【関連記事】「反マフィアマップ」、みかじめ料拒否の商店掲載 シチリア