「児童結婚廃止検討せず」、マレーシア首相府相
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【12月11日 AFP】マレーシアで前週、14歳の少女が結婚したことに対して、強い抗議の声が上がっている。しかし、ナズリ・アジズ(Nazri Aziz)首相府相(法務・議会担当)は8日、低年齢結婚の廃止はないとの考えを示した。
シティ・マリヤム・マハモド(Siti Maryam Mahmod)さん(14)は前週末、イスラム法(シャリーア、Sharia)に基づくイスラム法廷で婚姻の許可を受け、学校教員のアブドゥル・マナン・オスマン(Abdul Manan Othman)氏(23)と、モスクで開かれた集団結婚式で結婚した。
マレーシアでは、イスラム法廷の許可さえ受ければ16歳未満でも結婚することが認められている。アジズ首相府相は、会見で「宗教が認めるのであれば、それに反する立法はできない。イスラムでは、初潮を迎えた思春期の少女であれば結婚を許可している」と語り、イスラムで認められている以上、政府として低年齢結婚の廃止を検討する考えはないと表明した。
一方で、シティ・マリヤムさんの結婚に対する批判も強い。シャリザット・アブドゥル・ジャリル(Shahrizat Abdul Jalil)女性・家族・社会開発相が、政府は低年齢結婚の慣行を見逃しているわけではないと主張しているほか、活動家団体もマレーシアでは15歳以下の少女の既婚者が約1万6000人に上るほど低年齢結婚がまん延していると指摘し、低年齢の結婚を許している法律の改正を求めている。
マレーシアのイスラム教徒は同国の人口2800万人の60%ほどに上る。マレーシアのイスラム教徒は、家族法など特定の問題ではイスラム法廷に従うよう定められている。(c)AFP