【11月26日 AFP】宮城県石巻市で元解体作業員の少年(19)が交際していた少女ら3人を殺傷した事件で、仙台地裁(鈴木信行裁判長)は25日、裁判員裁判で初めて少年事件の被告に死刑を言い渡した。

 判決は裁判員6人と裁判官3人が多数決で決定した。

 被告の少年は2月に石巻市の民家に押し入り、少年との交際を止めようとしていた少女(18)に切りつけたうえ、姉(20)と少女の友人(18)を刺殺した。また同市の会社員(21)にも大けがをさせた後、少女を車で連れ去りさらに暴行を加えた。

 時事通信によると、鈴木裁判長は「結果は極めて重大で、更生可能性は著しく低い」とし、また事件時18歳7か月という年齢について「刑を決める上で相応の考慮は払うべきだが、死刑を回避すべき決定的事情とは言えない」と述べた。

 裁判員裁判全体での死刑判決は前週、横浜地裁で判決が下された男性2人殺害・切断事件の被告(32)に対する死刑判決に続き、2例目となる。

 世界の主要先進民主主義国のうち死刑を執行しているのは米国と日本だけで、欧州諸国や人権団体からたびたび非難されている。(c)AFP