【11月25日 AFP】アルゼンチン・サンタフェ(Santa Fe)州ベラ(Vera)の裁判所は24日、過去30年間にわたり実の娘に性的暴行を働いていたとして、男(63)を逮捕、起訴したことを明らかにした。現在43歳になる娘は、父親の子ども10人を出産していた。

 男は容疑を否認しているが、DNA検査の結果、娘が生んだ10人の子どもとの親子関係が確認されている。父娘ともに氏名は明かされていない。男は反復的な性的虐待などで起訴されており、有罪となれば最高20年の禁固刑が科される。

 事件が発覚したきっかけは6月、男が牛を盗んだとして逮捕されたことだった。虐待について人に話せば危害を加えると脅されていた娘が、この隙に警察に通報。同州農村部のニカノルモリナス(Nicanor Molinas)村の自宅で、13歳のころから父親に殴られ、強姦されてきたと訴えた。

 娘の訴えによると、子どもは現在27歳~7歳の10人で、うち1人はすでに亡くなっている。また、祖父が自分たちの父親でもあることを知っているのは最年長の子どもだけという。

 事件を担当する裁判長によると、この娘と姉妹のもう1人の娘も、父親に繰り返し強姦され、家から逃げ出す前に堕胎したことがあると主張しているという。裁判長は、オーストリアで実の娘を24年間監禁し性的暴行を加えていたヨーゼフ・フリッツル(Josef Fritzl)受刑者の「恐怖の家」事件と比較し、「それよりひどい」とコメントした。

■この2年で3件目、相次ぐ「父による暴行」

 父親が娘を性的に虐待し子どもを産ませていたという事件は、アルゼンチンでは最近で3件目だ。前年には「メンドーサの怪物」と呼ばれた男(67)が娘を強姦し、7人の子どもを産ませていた事件が発覚した。

 またこの10月には、中部コルドバ(Cordoba)州で男(60)が、過去20年にわたって娘を強姦し6人を産ませたうえ、さらに実の娘で孫にもあたる少女にも性的虐待を加えていたとして起訴されたばかりだった。(c)AFP

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