【10月26日 AFP】オーストラリア・アデレード(Adelaide)の裁判所は25日、裁判所から殺処分の命令が出されていたイヌを助け出して共に逃亡した飼い主に対し、禁固6週の判決を言い渡した。

 訴状によると、アマチュアボクシングの元チャンピオンでもあるロニー・ギルバートソン(Ronnie Gilbertson)被告(42)は、隣家のイヌにひどい傷を負わせたとして殺処分を命じられた飼い犬のスタフォードシャー・テリアの雑種、マックス(Max)に「最後のお別れ」をしに行った際、ボルトカッターを使ってマックスをおりから救出し、パートナーと2人の子どもを残してイヌと一緒に逃亡した。

 だが7月に逮捕され、被告はイヌを返すよう命じた裁判所命令に従わなかった罪に問われた。 

 弁護側は裁判で、「被告の行動は、ただただ飼い犬を心配し、飼い犬の幸福を考えてのもの。飼い犬への愛情が判断力と分別を鈍らせた」と情状酌量を求めた。

 だが判事は、被告が裁判所命令に「故意に、継続して」背いたとし、禁固6週の判決を言い渡した。一方イヌは、パース(Perth)で獣医師により殺処分されたという。(c)AFP