【10月11日 AFP】セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)で10日、同国史上2回目となる同性愛者らの権利擁護を訴えるゲイ・プライド・パレード(Gay Pride Parade)が開催されたが、これに抗議する集団が暴徒化し警官隊と衝突、警察発表によると、警官を中心に少なくとも141人が負傷した。

 石や火炎瓶を投げる暴徒らに対し、警察は装甲車を出動させ、催涙弾などでパレードの列から隔離しようと試みた。

 だが、1000人ほどが参加したパレードの終了後も暴動は激化し、市中心部のテラジエ広場(Terazije Square)には暴徒らが投げた石やがれきが散乱した。

 また、セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は同性愛者への理解を示していることから、暴徒らは大統領が所属する与党・民主党の本部ビルにも放火したが、火はすぐに鎮火され負傷者はなかった。

 内務省によると、暴動に加わったのは6000人あまり。うち約100人が暴力行為容疑で身柄を拘束された。

 セルビア社会には、現在も同性愛に対する根深い偏見があり、同性愛であることを公表している人びとは、日常的な差別に遭っている。同国では2001年に初めてゲイ・プライド・パレードが開かれたが、この時も、極右による激しい妨害があった。また、2009年のパレードは、参加者の安全が保証できないとの理由で中止されている。(c)AFP