【9月30日 AFP】中国湖南(Hunan)省にある問題児の更正を目的としたスクールで、訓練の一環として課されたランニングを拒否した生徒が教官数人に殴られた後、死亡する事件が起きた。

 30日の国営紙・京華時報(Beijing Times)によると、ITの勉強をするのだと母親に説得されて湖南省の省都・長沙(Changsha)市にある少年更正スクールに入所した少年(16)は、入所の2日後に死亡した。

 目撃者によると、訓練中に少年がランニングすることを拒否すると、1人を中心に3人の教官がプラスチックのパイプや手錠、木の棒などで殴ったと言う。

■殺人容疑で教官を拘束

 少年の母親は「意志が弱く、自信もなく、苦労したがらない息子」を鍛えようと思い、また少年が入学試験にも失敗したため、このプログラムに参加させることを決めたと語った。行き先はITスクールだと嘘をついたのはスクールの入学担当者の助言だった。この担当は、生徒の9割は嘘の理由で親に連れて来られ、残りの1割は親かスクールの教官に「誘拐」されて来ていると説明したと言う。

 母親は半年分の費用としてスクールに2万2800元(約28万円)を支払って帰宅した。期間中は教官を通す以外、息子とは直接連絡はとれないと説明された。

 その2日後、母親はスクールからの電話で、少年が危篤状態で入院したので両親ですぐ駆けつけるように言われた。その時スクール側は「たぶん日射病だ」と説明したと言う。しかし、飛行機で駆けつけたものの臨終に間に合わなかった両親が目にした少年の遺体は血痕とあざだらけで、下着まで破れていた。

 警察は教官3人を殺人容疑で拘束し、スクールは閉鎖処分を受けた。

 中国では素行の悪い若者や、インターネット中毒の若者を更正させるための合宿やスクールが数多く登場して論争を呼んでいる。前年8月にもインターネット依存症の更正施設で教官らに殴られた少年が死亡する事件が起こり、社会を震撼させた。(c)AFP

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