【9月24日 AFP】米国のニューヨーク(New York)連邦地裁は23日、アフガニスタンで米軍兵士らを銃殺しようとしたとして、殺人未遂罪に問われたパキスタンの女性科学者アーフィア・シディキ(Aafia Siddiqui)被告(38)に、禁固86年の有罪判決を言い渡した。

 シディキ被告は、米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)と米ブランダイス大学(Brandeis University)で教育を受けた神経科学者で3人の子どもがいる。2月に有罪評決を受けていた。

 シディキ被告の故郷であるパキスタンのカラチ(Karachi)では、活動家ら200人ほどがデモ行進し、「アメリカを倒せ!」とスローガンを叫んだ。

■検察「FBI局員らを銃撃」、弁護側「物証はゼロ」

 シディキ被告は2008年7月にアフガニスタン・ガズニ(Ghazni)の警察署で尋問を受けた際、ライフルを手に取り米軍兵士や米連邦捜査局(FBI)局員を銃殺しようとしたとして、殺人未遂罪で有罪判決を言い渡された。

 検察側は、シディキ被告が米軍兵士のライフルを取り、「アメリカに死を!」と叫びながら発砲したと主張していた。米国側に負傷者は出なかったが、本人の腹部に銃弾があたったという。

 一方、弁護側は、指紋や火薬の痕跡など、シディキ被告がライフルを手に取ったことを示す物的証拠すら存在しないと主張。さらに、米政府が、シディキ被告を国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)につながりを持つテロリスト予備軍として描写したことを非難した。

 シディキ被告はテロ罪には問われなかったものの、カラチで危険な化学物質と、エンパイア・ステート・ビル(Empire State Building)などのニューヨークの名所を攻撃目標とすることを示唆した資料を所持していたとされる。(c)AFP/Sebastian Smith