【9月7日 AFP】環境保護活動家としても知られるイタリア南部ポッリカ(Pollica)の市長(57)が6日、射殺体で発見された。検察当局は、ナポリ(Naples)を拠点に活動するマフィア「カモッラ(Camorra)」に処刑されたとの見方を示した。

 アンゲロ・バサロ(Angelo Vassallo)市長の遺体は6日早朝、自宅のそばに止められていた車の中で発見された。頭と体は複数の銃弾を浴びていた。

 マフィア撲滅運動を指揮した元治安判事のラファエレ・マリノ(Raffaele Marino)検察官は、レプブリカ(La Repubblica、電子版)とのインタビューで、「市長はあまりにもたくさん『ノー』と言い続けてきた。『ノー』を受け付けないカモッラにもね。そのせいで殺されたことは間違いないだろう」と語った。

 事件の捜査を率いるアルフレド・グレッコ(Alfredo Grecco)検察官は、「違法行為には果敢に闘いを挑み、常に戦闘の最前線に立っていた人だった」と市長の死を惜しんだ。

 ポッリカはナポリの南に位置する、人口2500人の小さな街。2児の父親でもあるバサロ市長は、国立公園の保全に尽力し、タバコのポイ捨てに1000ユーロ(約11万円)の罰金を課したことでも知られる。建築業界の不正撲滅にも力を入れた。

 イタリア最大の環境保護団体レガンビエンテ(Legambiente)は、「環境と法律順守を擁護した市長をたたえる」とするコメントを出した。市内の商店は、追悼と抗議の意を込めて、6日は終日閉店とした。(c)AFP