【7月26日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)政権時代(1975-79年)に起きた大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of CambodiaECCC)は26日、トゥールスレン(Tuol Sleng)収容所の元所長で人道に対する罪などに問われたカン・ケ・イウ(Kaing Guek Eav、通称ドッチ=Duch)被告(67)の判決公判を開き、禁固35年を言い渡した。

 ただし、特別法廷設置前に数年間違法に拘束されていたとして5年分を差し引き、最終的な判決は禁固30年となった。

 カンボジア特別法廷で判決が言い渡されるのは初めて。検察は禁固40年を求刑していた。

 刑務所「S-21」ことトゥールスレン収容所では女性や子どもを含む1万5000人が殺害された。カン・ケ・イウ被告は公判中に、これらの殺害を監督した責任を認め謝罪したが、最終弁論では釈放を求めていた。

 ポル・ポト政権下のカンボジアでは、飢餓や過酷な労働、処刑などによって約200万人が死亡したとされる。(c)AFP/Patrick Falby