【7月19日 AFP】メキシコ北部コアウイラ(Coahuila)州トレオン(Torreon)の郊外で18日未明、パーティー会場が自動小銃を持った武装集団に襲撃され、少なくとも17人が死亡した。武装集団は「皆殺しにしろ」と叫び、無差別発砲したという。麻薬密売組織の犯行と見られている。

 事件が発生したのは午前1時半(日本時間同日午後3時半)ごろ。現場は地元で人気の店で、事件当時は個人的なパーティーが開かれていた。現場周辺は景色のきれいな、普段は穏やかな地域だという。

 地元警察筋は目撃者情報として、「重武装した集団が『皆殺しにしろ』と叫びながら発砲を始めた」と語った。被害者は20~30代の若者が中心だという。警察は現場で200個以上の薬きょうを発見したが、多くは麻薬組織が広く使用しているAK47自動小銃の弾丸のものだった。

■取り締まり強化も死者増加

 メキシコでは、一大市場である米国市場への密輸ルートをめぐる麻薬密売組織同士の抗争や当局の取り締まりなどで毎日のように死者が出ている。

 フェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領が麻薬密売組織の撲滅を国家目標に掲げ、取り締まり強化を打ち出した2006年12月以来、およそ2万5000人が麻薬組織がらみで死亡している。同大統領は地方警察の強化のため、約5万人の軍兵士を動員しているが、死者数は増加の一途をたどっている。(c)AFP