【7月10日 AFP】日本の調査捕鯨に対する妨害活動で、傷害罪などで執行猶予つきの有罪判決を受けた米環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation SocietySS)のピーター・ベスーン(Peter Bethune)元船長(45)が9日、ニュージーランドに強制送還された。

 東京地裁は7日、ニュージーランド人のベスーン被告に懲役2年、執行猶予5年の判決を言い渡していた。判決で裁判長は執行猶予の理由について、被告に日本での犯罪歴がなかったこと、被告が謝罪し、「ほぼ罪を認め、今後は南極海での反捕鯨活動をしないと話している」ことなどと説明した。

 しかしベスーン元船長は10日、ニュージーランド到着後に短時間、報道陣の取材に応じ、南極海での妨害活動に戻るかどうかは分からないが日本の捕鯨を阻止する戦いはあきらめないと語った。

 あるウェブサイトは「いくつかのことを検討し、周囲の人間と話し合った上で、次に何をするか決めたい」というベスーン元船長の言葉を引用した。また元船長は妻と娘たちが待つ再会の場に去る前に、「自分がやったことには価値があった。何も後悔していないが、何かを変えられたかどうかは分からない」と言い残した。

 一方、シー・シェパード代表のポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(国際手配中)はベスーン元船長の裁判後、同団体から元船長を「除名する」とした発表は、もしも南極海に戻ると言えば日本の裁判官らが元船長の釈放をちゅうちょするだろうと考えての「法廷戦術」だったと明言した。(c)AFP