【7月2日 AFP】米カリフォルニア(California)州の上下両院は1日、性犯罪で有罪判決を受けて仮釈放されていたフィリップ・ガリドー(Phillip Garrido)被告に誘拐され、18年間監禁された後に2009年に救出されたジェイシー・リー・ドゥガード(Jaycee Lee Dugard)さん(30)に補償金を支払うことを定めた法案を可決した。

 カリフォルニア州はドゥガードさんと、監禁中にドゥガードさんとガリドー被告の間に生まれた2人の子どもに2000万ドル(約18億円)を支払う。法案成立はアーノルド・シュワルツネッガー(Arnold Schwarzenegger)州知事の署名を待つばかりとなった。

 ドゥガードさんはカリフォルニア州被害者補償及び政府請求委員会(California Victim Compensation and Government Claims Board)に救済を申し立てていた。カリフォルニア州司法省も補償金の支払いを勧告していた。

 同州議会法制調査局(Legislative Analyst's OfficeLAO)は、通常はカリフォルニア州の矯正当局は民事訴訟から免責されるが、本件は当局が犯人を逮捕する機会を逃すなど「類例がなく、悲劇的なケース」と指摘していた。

 また同州検察当局は、仮に州がドゥガードさんの申し立てに対して法廷闘争に出れば陪審員が「莫大な」補償金の支払いを命じる可能性があると警告しており、さらにドゥガードさんとその子どもたちが生涯にわたってカウンセリングを受ける必要があるのは「ほぼ確実」としていた。(c)AFP

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