【7月2日 AFP】(一部更新)米検察当局は1日、米国内でロシア対外情報局(SVR)のためにスパイ活動を行っていたとして11人が訴追された事件で、逮捕された容疑者の1人がロシアのエージェントであると自白し、ロシア政府に対する忠誠は自分の息子に対してより大きいと供述したと明らかにした。

 ニューヨーク南部地区連邦地検のプリート・バララ(Preet Bharara)検事がロナルド・エリス(Ronald Ellis)判事に提出した供述書によると、「フアン・ラサロ(Juan Lazaro)」の名で活動していた容疑者は、自分はウルグアイ生まれではなく「フアン・ラサロ」も偽名だと自白したが、本当の身元は明らかにしなかったという。

 また、自分の息子を愛しているが、息子のためであってもSVRへの忠誠を破ることはないと述べたという。

 同容疑者は、ペルー生まれでジャーナリストの妻ビッキー・ペラエス(Vicky Pelaez)容疑者についても、SVRに情報を提供するため数回南米に渡ったと供述した。

 この事件で米当局は米国内で10人を逮捕したが、残る1人は逃走先のキプロスで一旦逮捕されながら、保釈中に行方をくらましている。バララ検事はエリス判事に対し、キプロスの裁判所と同じ過ちを犯さないよう要請した。

 1日には、容疑者のうち9人に対する保釈聴聞会が3か所の法廷で開かれた。エリス判事は主要容疑者2人の保釈は否定したが、米国籍を持つペラエス容疑者については、訓練されたエージェントではないとみられることを指摘し、25万ドル(約2200万円)が支払われれば自宅軟禁下での保釈を認める意向を示した。(c)AFP/Paola Messana