【6月3日 AFP】(一部訂正)英中部・湖水地方(Lake District)で2日、タクシー運転手の男が銃を乱射して23人を殺傷した後、自殺したとみられる事件で、この男が前夜に犯行を予告するような発言をしていたことが分かった。英メディアが3日報じた。

 デリック・バード(Derrick Bird)容疑者(52)は、車で移動しながら3時間あまりにわたって銃を乱射した後、ブート(Boot)村近くの林で遺体で見つかった。自殺したとみられている。ショットガンと照準具が装備された22口径のライフルが押収された。犯行の動機は分かっていない。

 事件では12人が死亡、11人が負傷し、うち3人が重体となっている。

■「暴れてやる」「もう会うことはない」と宣言

「バーディー」の愛称で呼ばれていたバード容疑者を知る人たちは口をそろえて、静かで勤勉、人気者だったと証言する。離婚して独り暮らしだったが2人の子どもがおり最近、孫が生まれたばかりだった。

 しかし英各紙は3日、バード容疑者が犯行前夜に同僚のタクシー運転手たちと口論になり、その際に犯行を計画していた可能性があると報じた。

 英大衆紙サン(The Sun)によると、同僚の1人は「(口論の後)デリックと握手したとき『明日は暴れてやるからな』と言っていた」と語った。また英紙タイムズ(Times)は1日深夜、容疑者に「もう会うことはないと思う」と言われたというバード容疑者の旧友の話を掲載した。

■家族間の確執の可能性も

 タイムズは犯行の動機について、殺害された被害者の中にバード容疑者の双子の兄弟と一家の弁護士が含まれていた点を指摘し、容疑者の母親の遺言をめぐる確執があったのではないかと報じている。(c)AFP/Andrew Yates

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