【5月17日 AFP】薬物犯罪に手を染め死刑執行される人の数が全世界で年間1000人以上に上るとの調査結果が17日、人権団体「国際ハーム・リダクション(健康被害軽減)協会(IHRAInternational Harm Reduction Association)」の発表した報告書で明らかになった。

 同協会は報告書「Global Overview 2010」で、「薬物犯罪で毎年数百人が死刑執行されている」とし、「死刑統計を明らかにしていない国の分を含めると年間1000人を超える可能性が非常に高い」と指摘した。

 報告書によると、麻薬製造や密売などの薬物犯罪に死刑を適用する国は、現在もアジア・中東を中心に32か国ある。特に中国やイラン、サウジアラビア、ベトナム、シンガポール、マレーシアは近年、死刑を定期的に執行しており、前年イランでは172人、マレーシアでは少なくとも50人の死刑が執行された。また、執行猶予があるものの死刑制度のある国も多いとした上で、薬物犯罪への死刑適用の廃止を呼び掛けた。(c)AFP