【5月10日 AFP】エリック・ホルダー(Eric Holder)米司法長官は9日、ニューヨーク(New York)の繁華街タイムズスクエア(Times Square)で爆発物を積んだ車が見つかった事件について、パキスタンのタリバン系組織が背後にいるとの見方を初めて示した。

 ホルダー司法長官は米ABCテレビの番組「ディス・ウィーク(This Week)」に出演し、「パキスタンのタリバン系組織が攻撃の背後にいることを示す証拠をつかんだ」とし、「彼らが攻撃の手助けをし、おそらく資金援助もしたことが分かっている。(実行犯は)彼らの指示を受けて動いてたことも分かっている」と述べた。

 パキスタン空軍退役将校を父に持つパキスタン系米国人のファイサル・シャザド(Faisal Shahzad)容疑者(30)は3日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ(Dubai)行きの旅客機に乗り込もうとしていたところを、爆発物を積載したスポーツ多目的車をタイムズスクエアに放置した容疑で逮捕された。

 事件を受け、米政府はパキスタン政府に対し、イスラム過激組織にとって安全な潜伏地となっているアフガニスタン国境付近の北ワジリスタン(North Waziristan)地域での武力攻撃を強化するようさらに強く要請した。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は米CBSテレビのインタビュー番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で、パキスタン当局の協力姿勢に「大きな変化」があったが、「もっと(変化が)ほしい」と語った。

 ジョン・ブレナン(John Brennan)大統領補佐官(国土安全保障担当)はシャザド容疑者について、パキスタンの武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」に訓練され、資金提供を受けていたとしている。

 ブレナン大統領補佐官によると、シャザド容疑者は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やTTPの「殺人を肯定するレトリック」に影響を受けているという。ただ、取り調べには非常に協力的だという。(c)AFP/Jim Mannion