【3月29日 AFP】米テネシー(Tennessee)州チャタヌーガ(Chattannooga)でこのほど、警察車両のバンパーを食いちぎり、3台の車のタイヤをかんでパンクさせて「逮捕」されたペット犬が、6か月の保護観察処分を受けた。地元紙チャタヌーガ・タイムズ・フリープレス(Chattanooga Times Free Press)が26日、報じた。

 この犬は、オスのブルテリアの雑種、ウィンストン(Winston)。今月14日、パトカーを含めて車両4台を攻撃したほか、フェンス2か所を食い破った。飼い主のナンシー・エマーリング(Nancy Emerling)さんは、ウィンストンは普段はおとなしい犬で、事件当日に限ってなぜ凶暴化したのかわからないと話している。

 警察の監視カメラの映像によると、ウィンストンは市内の道路脇で、パトカーのバンパーにかみついて離さず、しっぽを振りながら強く引っ張り続けて、ついにバンパーを完全に食いちぎってしまった。その後、傍らで加勢するかのようにほえていた茶色と黒の犬2匹とともに、走り出したパトカーを追いかけた。

 警察官らは唐辛子スプレーやテーザー銃でウィンストンを「制圧」しようとしたが、失敗。結局、動物管理局員が出動し、捕獲棒を使ってようやくウィンストンの「身柄」を「確保」した。

 エマーリングさんは、警察官がウィンストンを撃ち殺さなかったことに本当に感謝しているとチャタヌーガ・タイムズに語った。「驚くべき忍耐が必要だったはず。警察官らはこれ以上ないほど、最良の行動を取ってくれた」

 ウィンストンは、チャタヌーガ市の動物保護施設に2週間「拘置」されたが、「模範囚」と認められたため、「釈放」された。保護観察処分を下した裁判官によると、今後6か月間にわたって服従訓練を続け、2度と暴力行為に及ばなければ、ウィンストンに付いた「危険性をもった犬」の汚名は撤回されるという。(c)AFP

【参考】ウィンストンの写真とパトカーを攻撃する一部始終をとらえた2分間の監視カメラ映像が掲載されたサイト(英語)