【2月26日 AFP】韓国の憲法裁判所は25日、死刑制度を合憲とする決定を下した。裁判官9人中5人が合憲との意見だった。

 高等法院は2008年、複数を殺害したとして一審で死刑判決を受けた漁師(72)の請求を受け、死刑制度をめぐる審査を請求していた。憲法裁は決定理由として、死刑には犯罪抑止効果があると説明している。韓国法務省は今回の決定が死刑執行の再開につながるかは分からないとしている。

 憲法裁は96年にも死刑を合憲と判断している。韓国では金泳三(キム・ヨンサム、Kim Young-Sam)政権時代の97年、短期間に23人の死刑が執行されたのを最後に死刑は執行されていない。

 金大中(キム・デジュン、Kim Dae-Jung)政権時代の98年2月、非公式ではあるが死刑執行を停止するモラトリアムが設定された。金大中元大統領自身も80年に死刑判決を受けたが、後に執行が停止された。韓国には現在、中国人2人を含む59人の死刑が確定している。(c)AFP