【2月3日 AFP】サウジアラビアで80歳の男性と強制的に結婚させられたとして離婚を求めていた12歳の少女が申し立てを取り下げたと、2日の地元紙オカズ(Okaz)が報じた。

 同国中部カーシム(Qasim)州ブライダフ(Buraidah)の裁判所で1日に行われた裁判で、少女は「結婚は自分の同意のもとで行われた」と述べ、突然申し立てを取り下げた。これについては、少女と、最初に申し立てを行った母親への支援を表明してきた一部の弁護士や児童福祉活動家らも驚きを隠しきれない様子だという。

 報道によると、少女の父親(少女の母親とは離婚)は前年9月、8万5000リヤル(約200万円)の婚資と引き換えに、少女を80歳の男性に嫁がせた。その後母親が、結婚を無効にするよう裁判所に申し立てるとともに、「娘は男に強姦(ごうかん)された」と訴えていた。

 アルリヤド(Al-Riyadh)紙が前月初めにこのニュースとともに少女が記者に「助けて欲しい」と懇願したことを報じると、大きな騒動に発展した。

 世論に影響力を持つと言われるアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王の娘、アデラ王女(Princess Adela bint Abdullah)はアルリヤド紙に対し、少女の結婚は「子どもの権利の侵害」だと懸念を表明していた。

 サウジアラビアには児童の結婚を禁じる法律はなく、聖職者や敬けんな一部の判事はイスラム法や同国の伝統をかんがみてもそうした結婚には正当性があるとの立場を崩していない。(c)AFP