【1月27日 AFP】来月12~28日に冬季五輪が行われるカナダ西部のバンクーバー(Vancouver)で、「おとり車両」が窃盗犯の減少に効果を上げている。

 娯楽としての薬物の使用に寛容で、薬物中毒者に行政サービスも提供しているバンクーバーは、主に薬物乱用者による自動車盗難などの窃盗事件が多いことでも知られている。

 バンクーバー商工会議所が6年前に行った調査では、窃盗事件の多さで北米の中で米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)に次ぐワースト2位になり、2003年には商工会議所が「わが都市の名声を窃盗犯にくれてやるわけにはいかない」と警鐘を鳴らしたほどだった。

 2010年のバンクーバー冬季五輪の開催が決まってからの窃盗対策は成果を上げ、窃盗事件が人口100人あたり16件も発生した1996年をピークに、2003年以降その件数は約3分の2にまで減少した。

 警察のおとり車両には、音声も記録できるビデオレコーダーと衛星追跡装置、遠隔操作でエンジンを停止させる装置が付いている。また、車両の窓を割って貴重品を奪った犯人を特定するための、追跡装置付きのカメラとノートパソコンなども置いてあるという。(c)AFP