【1月21日 AFP】ドイツのハンブルク歴史博物館(Museum of Hamburg History)は20日、伝説的な海賊、クラウス・シュテルテベーカー(Klaus Stoertebeker)のものとされる約600年前の頭がい骨が9日に盗まれたことを明らかにし、発見者に数千ユーロの報奨金を支払うと発表した。

 博物館によると、頭がい骨は観賞用ケースからこつ然と消えており、盗まれた状況は不明。館長は犯人像や動機について、「悪い冗談」か海賊物のコレクターかもしれないとの見方を示している。

 頭がい骨は1878年に倉庫の建設現場で発見されたもので、頭頂部に大きなクギが刺さっている。発見場所が、かつて海賊らを斬首して見せしめに首をさらしたとされる場所だったことから、1401年に子分30人とともに処刑されたシュテルテベーカーの頭がい骨の可能性があるとして、博物館の目玉となっていた。
 
 法医学的分析の結果、頭がい骨は1400年前後の男性のものと判明したが、シュテルテベーカーのものと断定する証拠は見つかっていない。博物館は2004年にDNA鑑定で決定的な証拠を得ようとしたが、失敗に終わっている。

 シュテルテベーカーという名は、古いドイツ語で「ジョッキを掲げろ」という意味。伝説的な海賊として北海で恐れられた後、ヘルゴラント(Helgoland)列島で捕らえられ、処刑のためハンブルクに連れてこられたとされている。(c)AFP