【1月1日 AFP】英国で刑務所から脱走した窃盗犯が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェースブック(Facebook)」のページを欠かさず更新しながら3か月間を逃げおおせ、インターネット上で「フェースブック逃亡犯」とあだ名をつけられ話題となっている。31日までにこの脱獄囚が作ったフェースブック上の「友人」は、3万人近い。

 警察を翻弄しているのはクレイグ・「レイジー」・リンチ(Craig "Lazie" Lynch)受刑囚(28)で、加重窃盗の罪で7年の刑を下され、英イングランド東部サフォーク(Suffolk)の刑務所に収容されていたが、9月に脱獄した。

 リンチ脱獄囚はクリスマス直前にはデコレーションされた七面鳥の料理と一緒に撮影した写真や、挑戦的に中指をたてたポーズで写った画像をサイトにアップ。クリスマスの25日には「メリー・クリスマス!おれはやったぞ、システムなんてくそ食らえ」と書き込み、27日には「おいおいみんな週末だぜ。どっかに楽しいことはないの?」と書いた。

 GPSを駆使した追跡、過熱するメディアの報道、彼をたたえるTシャツの販売計画まで持ち上がるなか、リンチ脱獄囚を快く思っていないフェースブックの利用者もいる。なかには「クレイグ・レイジー・リンチ目撃情報」や「クレイグ・レイジー・リンチを憎悪する会」といったグループもでき、数百人が集まっている。

 ここ数日以内、リンチ脱獄囚は自分の評判を自己弁護する投稿をし、こう書き込んだ。「おれは尊敬されてるし、年寄りのばあさんには指ひとつ触れたことも、びた一文取ったこともない。おまえらも、もっとまっとうなことしろよ」

 警察の広報担当は脱獄の事実を認め、フェースブックに出没している「クレイグ・リンチ」は脱獄囚本人だとみているが、「フェースブックはかれの居場所を示す目安になるとは限らない」としている。(c)AFP