【12月26日 AFP】マレーシア警察は24日、前年、同国の空軍基地から2900万ドル(約26億円)相当の戦闘機エンジン2基が盗み出されて闇マーケットで売却され、その後アルゼンチンへ輸送されていたことが確認されたと発表した。

 盗み出されたのはマレーシア空軍が保有する、米防衛大手ノースロップ(Northrop)製F-5E戦闘機のエンジン2基。マレーシアの報道によれば、同国軍幹部が前年、闇市場を通じて南アメリカの企業にエンジンを売り渡したとみられている。

 ムサ・ハサン(Musa Hasan)警察署長は、マレーシア紙スター(Star)に対し、現在もまだアルゼンチン国内に盗み出されたエンジンがあるかどうか問い合わせているところだと述べた。

■エンジン盗難は「氷山の一角」か

 この事件をめぐっては、すでに軍兵士3人を含む4人が拘束され、その後保釈金を支払って保釈されている。軍司令官のAzizan Ariffin氏は、ニュー・ストレーツ・タイムズ(New Straits Times)紙に対し、今回の盗難は「氷山の一角」に過ぎないと述べた。

 新たな調査では、エンジンのほかにも数百万リンギット相当の備品が紛失していることが発覚しており、軍による汚職疑惑が浮上。マレーシア政府は激しい非難にさらされている。

 盗み出されたのは、エンジンのほか、ジェット戦闘機の部品など。

 米国から武器禁輸措置を受けているイランやスーダン、ベネズエラなどの国では、旧式のエンジンを搭載したF-5戦闘機を配備している。(c)AFP