【12月19日 AFP】英ロンドンの中央刑事裁判所で18日、夫が投げたテレビのリモコンがあたって妻が死亡した事件の公判があり、夫の電気技師ポール・ハーベイ(Paul Harvey)被告(46)に禁固3年の実刑判決が言い渡された。

 事件が起きたのは3月。ハーベイ被告がロンドンの自宅でテレビのリモコンを投げたところ、これが妻で元米国外交官のグロリア・ラグーナ(Gloria Laguna)さん(48)の後頭部に当たり、ラグーナさんは失神した。ハーベイ被告は救急措置を試みたが、ラグーナさんは脳内出血で死亡した。運悪くラグーナさんには頸(けい)動脈に致命的な医学的欠陥があったためだが、この事実はハーベイ被告もラグーナさん自身も知らなかったという。

 ハーベイ被告側の弁護士は3月の初公判で、「被告は、たまたまラグーナさんの方向へリモコンを放り投げただけで、リモコンがラグーナさんの弱点を直撃する確率は宝くじに当選するほど低い」と述べたうえで、被告は妻の死に落胆し後悔しているとして無罪を主張した。

 これに対し、検察側は、離婚した前妻との間の娘への養育費をめぐって被告とラグーナさんとの間で口論になり、被告は激高していたと反論。

 判事は、「妻にむかってリモコンのような硬い物体を投げつけることは、無責任かつ危険な行為」だと述べ、ハーベイ被告は妻の死に責任があると指摘した。(c)AFP