DV被害のスルタン王子妃に「夫の元に戻れ」と命令、マレーシア宗教裁判所
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【12月14日 AFP】マレーシア・クランタン(Kelantan)州のスルタン(イスラム王侯)王子妃となったインドネシア人の元モデル、マノハラ・オデリア・ピノ(Manohara Odelia Pinot)さん(17)が、性的暴行を受けたとして夫から逃げた問題で、クランタン州のイスラム法高等裁判所は13日、マノハラさんに夫の元に戻ることと、夫への負債110万リンギット(約2900万円)を返済するよう命じた。
夫のトゥンク・テメンゴン・モハマド・ファクリー(Tengku Temenggong Mohammad Fakhry)王子(31)の弁護士が明らかにしたところによると、裁判所はマノハラさんが「夫婦の問題を解決するため、王子が来年1月3日に行う宣誓から14日以内に王子の元に戻り、忠誠心を示すよう命じた」。また、宣誓式から30日以内に王子に負債を一括返済するようにも命じたという。
王子はこの結果を歓迎し、マノハラさんが裁判所の命令に従って戻ってくることを望んでいるという。
この弁護士は、マノハラさんが期日までに王子の元に戻らなかった場合、「不義」を行ったと宣言され、王子側にはマノハラさんの生活費を支払う義務はなくなると述べた。またその場合、将来的に離婚が成立しても、原因はマノハラさんの不義ということいなり、慰謝料は払われないとしている。
王子は11月、性的暴行を行ったと中傷されたとして、マノハラさんとその母親を相手取って名誉毀損の訴訟を起こし、勝訴している。
マノハラさんは5月、シンガポールのホテルに滞在中、護衛をすり抜けて逃げ出してインドネシアの家族のもとに戻った後、王子から虐待や性的暴行、拷問などを受けていたと打ち明けた。ピノさんの弁護士によると、ピノさんはインドネシア警察に虐待の被害を届け出たが、警察からは国外での出来事のため捜査できないと回答されたという。(c)AFP