【12月1日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島のマギンダナオ(Maguindanao)州で、来年実施される知事選に絡み地元政治家の親族やジャーナリストら57人が殺害された事件で、フィリピン司法当局は1日、同国の有力一族の指導者の息子で同州ダトゥウンサイ(Datu Unsay)のアンダル・アンパトゥアン・ジュニア(Andal Ampatuan Jr)町長を25件の殺人罪で同国南部コタバト(Cotabato)市の裁判所に起訴した。

 エディルベルト・ハモラ(Edilberto Jamora)検察官は、11月23日の大量殺人事件の管轄権を持つコタバトの裁判所にアンパトゥアン・ジュニア町長を起訴したと述べた。

 また、アンパトゥアン・ジュニア町長の父親、アンダル・アンパトゥアン(Andal Ampatuan Snr)マギンダナオ(Maguindanao)州知事を含むアンパトゥアン一族のメンバーらに対しては、大量殺人事件の捜査に対する供述書の提出が命じられた。アンパトゥアン一族はマギンダナオ州で強い影響力を持っている。

 ハモラ検察官によれば、アンパトゥアン・ジュニア町長が問われている殺人罪が25件となっている理由は、これまでに死亡証明書の処理が終わった人数が25人だからだという。

 事件では、アンパトゥアン一族のライバル、地元政治家エスマエル・マグダダトゥ(Esmael Mangudadatu)氏の夫人と姉妹2人を含む57人が殺害された。ジャーナリストや法律家、その他の民間人も死者に含まれている。

 検察当局は、アンパトゥアン・ジュニア町長が、2010年5月の知事選へのマグダダトゥ氏の出馬を阻止するために大量殺人を指示したと述べた。(c)AFP