【11月26日 AFP】パキスタンの対テロ特別法廷は25日、166人が犠牲となった2008年11月のインド・ムンバイ(Mumbai)同時襲撃事件の容疑者7人を起訴した。被告側弁護士が明らかにした。

 事件は前年11月26~29日に発生。7人は発生から1年となる前日、ラワルピンディ(Rawalpindi)の厳重に警備された刑務所内に設けられた対テロ特別法廷に起訴された。このインド史上最悪の武力攻撃により、インドとパキスタンの関係は著しく悪化し、4年にわたる核保有両国の和平交渉は暗礁に乗り上げた。

 事件に関与しているとして逮捕された中には、主犯格とされるザキウル・レフマン・ラクビ(Zaki-ur-Rehman Lakhvi)被告やパキスタンを拠点にする過激派民兵組織「ラシュカレトイバ(Lashkar-e-TaibaLeT)」のザラル・シャー(Zarar Shah)被告などがいる。

 7人は全員、無罪を主張している。

 インド・米国両政府は、事件はLeTによる犯行とみている。

 なお、米政府は法廷の決定を歓迎する意向を示した。

 国賓として訪米中のインドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は25日、パキスタンの動きを歓迎した一方で、テロの基盤を解体するためのさらなる行動を求めた。

 今回の起訴は、インド政府がパキスタン政府に事件に関するさらなる情報を提供した1週間後に行われた。インド政府は事件について、パキスタンの政府機関が支援していると非難しているが、パキスタン政府はこれを強く否定している。(c)AFP/Sami Zubeiri