【11月19日 AFP】前週明らかになった米ミズーリ(Missouri)州で起きた近親者による性的虐待事件で、5歳の子どもが男性の殺害を命じられていた可能性が浮上し、関係者に衝撃を与えている。

 この事件は、同州ベイツシティー(Bates City)のバレル・エドワード・モーラー・シニア(Burrell Edward Mohler Sr.)被告(77)とその4人の息子が、1988~1995年にモーラー・シニア被告の孫らに対して強姦などの性的虐待を繰り返していたとして逮捕、起訴されたもの。被害にあった孫の1人の女性(26)が今年8月、保安官事務所に訴えたことから警察の捜査が開始された。

 この女性に対する虐待は5歳の時に始まり、11歳になって妊娠し、中絶を強制されるまで続いたという。証言を裏付けるように、この女性のきょうだいが犯行の詳細を記したメモを入れて農場の各所に埋めていたガラスのビンも多数見つかった。

■孫娘に殺人も命じた?

 このほど明らかになった新情報によると、モーラー・シニア被告について、当時5~8歳だった3人の孫娘に、同州インディペンデンス(Independence)のショッピングセンターで男性の拉致を手伝うよう強制した疑いが浮上したという。

 モーラー・シニア被告は、農場に連れてきた男性を殺さなければお前たちを殺すと孫娘たちを脅迫、また、男性の遺体を埋める穴を掘らせたとされる。

 男性の身元は不明だが、前週農場を捜索した警察は、性別不明の骨、クレジットカード、眼鏡、靴またはブーツの底を発見したと発表した。

■新たな被害者も

 16日公表された捜査令状の宣誓供述書によると、報道を見て別の被害者も名乗り出てきたという。この人物はモーラー家とは無関係の女性で、農場の地下室に約2年間拘束され、繰り返し強姦されたと当局に訴えた。

 この女性は、子どもを生んだが、モーラー・シニア被告と息子のバレル・E・モーラー・ジュニア(Burrell E. Mohler Jr.)被告(53)が乳児を箱に入れて地下室の土間に埋めたと証言している。その後、地下室の床はコンクリートで覆われた。

 宣誓供述書によると、警察が前週の捜索でレーダーを使って地下室を調べたところ、コンクリートの床の下に箱のような形をした物体があることが分かり、分析のため土壌を採取したという。

 17日にはモーラー・シニア被告の弟、ダレル(Darrel)被告(72)がフロリダ(Florida)州からミズーリ(Missouri)州に引き渡されることに同意した。ダレル被告は2件の強姦で起訴されている。(c)AFP