【11月17日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)北東のアルハブ(Arhab)で日本人男性技術者が武装した地元部族民に拉致された事件で、解放交渉を進めている関係者は17日、AFPに対し、日本人男性の健康状態は「非常に良好」で解放交渉が継続中だと語った。

 解放交渉に関わっている当局高官のシェイク・アブデル・ジャリル・シナン(Sheikh Abdel Jalil Sinan)氏は「日本人の人質の健康状態はとても良く、犯行グループから客人のような扱いを受けている」と語った。

 日本人技術者は15日にアルハブで拉致された。犯行グループは拘束されている仲間の釈放を要求しているという。男性の氏名は公表されていない。

 シナン氏によれば、イエメン政府は日本人男性の解放と引き替えに犯行グループの仲間の釈放を約束しており、解放交渉担当者は政府と協力して、犯人グループの要求に応えるようにするとの書面を16日夜に犯人側に渡したという。シナン氏は「人質を解放すれば犯行グループの仲間も釈放されることを犯人側に納得させることができれば、日本人男性は24時間以内にも解放されるだろう」と語った。

 しかし、犯行グループに近い筋によれば、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領は以前、釈放の約束を守らなかったことがあるため、犯人側が不信感を持っているという。

 別の情報筋によると、犯人側が釈放を要求しているのは22歳の部族民で、米軍がイラクで1年ほど拘束したことのある人物だという。男はシリアでも拘束された後、イエメンで罪状なしで禁固2年の実刑判決を言い渡されたという。(c)AFP