【11月4日 AFP】野村証券(Nomura Securities)の英国法人の元女性従業員2人が、同僚男性らから性的・人種的差別を受けたとして同社を相手取り、合計300万ポンド(約4億4000万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。複数のメディアが3日伝えた。

 訴えを起こしたのはモーリーン・マーフィー(Maureen Murphy)さん(30)とアナ・フランシス(Anna Francis)さん(37)。収入を失ったことと感情を傷つけられたことで、それぞれ150万ポンド(約2億2000万円)を要求している。

 シニアアナリストのマーフィーさんと流ちょうな日本語を話すディレクターのフランシスさんは、前年9月に経営破たんしたリーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)の一部を野村証券が買収した際に同社に移籍した。

 夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)によると、日本人の上司らは2人に仕事を与えず、2人が女性で日本人でないという理由で数週間後に解雇したという。

 2人の弁護士は法廷で、同社には人種差別主義、性差別主義な社風があったとしている。野村側は訴えの内容を否定し、2人は公正な人員削減計画の一環として解雇されたと主張している。

 マーフィーさんは訴状の中で、顧客との会議中にある男性顧客がマーフィーさんの同僚の女性に「きょうはホンカー(クラクション)を出していないのだね」と話したとしている。マーフィー氏は初め「ホンカー」が何を意味しているのか分からなかったが、(その同僚に)「胸」のことだと教えられたという。

 マーフィー氏はさらに、男性のトレーダーと清掃員を雇う話をしていると、「きみは女性だ。家で床を掃除するのはきみの役目だろ」と言われたという。(c)AFP