【10月21日 AFP】フランスのドミニク・ドビルパン(Dominique de Villepin)前首相(55)が、政敵であるニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領の失脚を画策した疑いがもたれている「クリアストリーム疑惑」の公判で、検察側は20日、ドビルパン被告に対し、執行猶予付き禁固1年6月と罰金4万5000ユーロ(約610万円)を求刑した。

 ドビルパン被告は求刑について、「ニコラ・サルコジはわたしを肉屋のフックにつってやると語っていたが、どうやらその約束は守られたようだ」と吐き捨てた。

 ドビルパン被告は2004年、ジャック・シラク(Jacques Chirac)大統領(当時)の後継争いをしていたサルコジ大統領の信用をおとしめ、追い落としを図るための謀議に関与していたとされている。

 検察側は、ドビルパン被告が偽の密告文書のリークによるサルコジ大統領追い落としに積極的に関与してはいないものの、この陰謀を防ごうとしておらず、「沈黙を通じた共犯者」だとしている。

 ドビルパン被告が起訴されている、名誉棄損の共謀、偽造文書使用の共謀、背任などの罪では、現行法では最大5年以下の禁固刑が可能だが、今回はそれを下回る求刑となった。

 ドビルパン被告の弁護士は、検察側は同被告の共謀の意図を証明できないということを認めており、今回の求刑は不当だと主張している。(c)AFP/Carole Landry