【10月19日 AFP】米コロラド(Colorado)州ラリマー(Larimer)郡の保安官事務所は18日、ファルコン・ヒーニ(Falcon Heene)君(6)が気球に乗って飛ばされたとの通報を受け大々的な捜索が行われた後、少年が自宅ガレージの屋根裏に隠れていたことが発覚した件は、テレビのリアリティーショー番組との契約を確実にするために両親が計画したでっち上げだったと発表した。

 ジム・アルダーデン(Jim Alderden)保安官は、父親のリチャード(Richard Heene)、母親のマユミ・ヒーニ(Mayumi Heene)夫妻がこの騒動をでっち上げたものだと語った。テレビでも中継されるなど大きな話題になった気球騒動は、発生直後から自作自演ではないかとの疑惑が持たれていた。

 アルダーデン保安官は記者会見で、ヒーニ君の両親はハリウッド(Hollywood)の演技指導学校で出会っていたことを明らかにし、騒ぎが起きた際は非常に取り乱した振りをして、当局者は見事にだまされてしまったと語った。

 同保安官は、「彼らは一芝居を打ち、われわれは見事に乗せられた。彼らは役者だよ。われわれもメディアもしてやられたんだ」と述べるとともに、「気球に乗ったファルコン君が飛ばされ、生命の危機にさらされたという状況を作り出し、それを利用してメディアの注目を浴び有名になって、恐らくリアリティーショー番組と契約を結ぶことを目指していたのだろう」と語った。

「奇想天外度で言えば、10点満点だね」(アルダーデン保安官)

 この日の会見ではさらに、ヒーニ家の10、8、6歳の3人の息子たちも計画に関与していたことが明らかにされた。

 ヒーニ夫妻は今年前半、「Wife Swap(妻を交換します)」というリアリティーショー番組に出演していた。番組では、ロケットの打ち上げから地球外生命体の探索まで、さまざまな奇抜な実験をするアマチュア気象学者の一家として紹介されていた。

 アルダーデン保安官は、リチャードさんが自らを科学者だとしていることについて、「彼の教育レベルは高卒にすぎない」とし、「変人かもしれないが、大学教授ではない」と語った。

 同保安官は、ヒーニ夫妻は、共同謀議、未成年の非行のほう助、虚偽の通報、公務員に影響を与えようとした罪などの容疑で立件される見込みだと語った。夫妻の子どもたちについては、未成年であることから立件されることはないだろうとの見方を示した。

 この中で最も重いのは公務員に影響を与えようとした罪で、有罪になれば2~6年の禁固刑になるおそれがある。一方で、アルダーデン保安官は、コロラド州の刑務所は過密状態にあるため、収監はされないのではないかと語った。(c)AFP/Jeanie Stokes