【10月2日 AFP】米ユタ(Utah)州で2002年に14歳で誘拐され、9か月後に保護された女性が1日、容疑者に責任能力があるかどうかを判断する審理に出廷し、誘拐時の状況と監禁中の詳細を初めて法廷で証言した。

 エリザベス・スマート(Elizabeth Smart)さん(21)は02年6月、自宅の寝室からブライアン・ミッチェル(Brian Mitchell)容疑者(55)に誘拐された。

  「彼は寝室に入ってきてナイフをわたしののどに突きつけ、静かに起きないとわたしと家族を殺すと脅しました」

 スマートさんによると、ミッチェル容疑者はスマートさんを郊外のキャンプ場に連れて行き、「結婚式」を行った後、スマートさんに性的暴行を加えた。スマートさんは木に縛り付けられ、「逃げようとしたら殺す」と脅されたという。

 ミッチェル容疑者は監禁中、スマートさんに酒や薬物を与え、ポルノを見せたという。スマートさんは同容疑者について、「悪魔」「意地が悪い」「他人を思い通りに操る」「卑劣」「粘着質」「利己的」「強欲」などと評した。

 スマートさんはこれまで事件に関するインタビューに応じたことはあったが、監禁中の詳細について証言するのは今回が初めて。

 ブレット・トールマン(Brett Tolman)連邦検事は、スマートさんの今回の証言で、ミッチェル容疑者に責任能力があり起訴が可能だと判断されるだろうと述べた。

 一方、ミッチェル容疑者の弁護士は記者団に対し、同容疑者は「深刻な妄想」にとりつかれており、裁判で弁護士の弁論を助けることはできないだろうと述べた。(c)AFP