【9月29日 AFP】盗聴や贈賄などの罪に問われていたペルー元大統領のアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)被告(71)の4件目の公判が28日、首都リマ(Lima)の最高裁特別刑事法廷で開始され、同被告はこれまでとは一転して初めて罪状を認めた。

 フジモリ被告は、側近だったブラディミロ・モンテシノス(Vladimiro Montesinos)元国家情報部(SIN)顧問を通じた、野党議員への贈賄やメディアの不正買収、議員やジャーナリスト、企業関係者に対する盗聴の罪を認めた。なお、モンテシノス氏は現在、収監されている。

 同被告はこれまで、大統領としてやましいところはなく無罪であると公言してきたが、この日の罪状認否では静かな口調で「罪を認めます」と答えた。

 検察側は3つの罪で禁固8年6月、160万ドル(約1億4400万円)の罰金、総額100万ドル(約9000万円)の被害者に対する賠償金の支払いを求めた。判決は30日に言い渡される。

 フジモリ被告をめぐる裁判は今回で4件目となり、最後となる見込み。一連の裁判で、1990~2000年まで大統領を務めたフジモリ被告の権威も完全に失墜することとなった。(c)AFP/Reynaldo Munoz