【9月20日 AFP】フランスの外相、首相を歴任し、イラク戦争開戦時には同国の「ノン(反対)」の姿勢を鮮やかに弁論してみせ、国際社会が浴びせた喝采から一転、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領の失脚を画策した疑いがもたれている「クリアストリーム疑惑」で、ドミニク・ドビルパン(Dominique de Villepin)被告(55)の初公判が21日から開始される。

 同疑惑で有罪となった場合、ドビルパン被告は5年間の禁固刑に処される可能性がある。

 外務省キャリアとして完璧な英語を操り、エレガントさでも知られたドビルパン被告だが、2004年、サルコジ現大統領らがルクセンブルクのクリアストリーム銀行(Clearstream Bank)に隠し口座を開設し、裏金を受け取っていたとする偽の密告文書のリークに関与した疑いがもたれている。当時、ドビルパン被告はジャック・シラク(Jacques Chirac)前大統領の後継を狙い、サルコジ大統領と競合していた。

 ドビルパン被告は、サルコジ大統領に対する軽蔑を隠し立てしたことはなく、非公式の場ではサルコジ氏を「小人」と呼んでいるといわれ、2007年のサルコジ大統領就任以来、政権批判の先鋒に立ってきた。政権立ち上げ当初には、サルコジ大統領は自分のまわりに「おべっか使いとイエスマンと機嫌取りしか配していない」と辛らつに述べたこともある。(c)AFP/Carole Landry