【9月19日 AFP】イタリア捜査当局は18日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相に売春婦を紹介したとされる首相の友人で実業家のジャンパオロ・タランティーニ(Giampaolo Tarantini)氏を麻薬密売容疑で逮捕した。検察当局が発表した。

 イタリア南部プーリア(Puglia)州州都バーリ(Bari)のAntonio Laudati検察官は、記者団に対し、「ジャンパオロ・タランティーニ容疑者は麻薬密売の容疑のほか、証拠を隠滅する可能性や逃亡する危険性があったため」にバーリの空港で拘束したと説明した。

 タランティーニ容疑者とその兄弟は、契約獲得のため不正を働いた疑いが持たれ、数か月にわたって捜査の対象とされていた。捜査当局による盗聴で、タランティーニ容疑者ら兄弟が麻薬を密売している疑いや売春教唆の疑いが浮上。盗聴の結果、ローマ(Rome)とサルデーニャ(Sardinia)にあるベルルスコーニ氏宅で、ベルルスコーニ首相とひと晩を過ごす代わりに謝金を支払っていたことが明らかになった。

 また、売春婦のパトリツィア・ダダリオ(Patrizia D'Addario)さんも、ひと晩2000ユーロ(約27万円)の謝金で、ベルルスコーニ首相と2度にわたって夜を過ごしたと主張しており、ベルルスコーニ氏との会話を録音したことを明らかにしている。

 これに対しベルルスコーニ首相は、「何者かがこのミス・ダダリオに、非常に詳細で、とんでもなく高額の指令を出したのだ」と述べ、買春疑惑を否定している。(c)AFP