【9月5日 AFP】オランダの「熱心すぎる」警察が、実験用に合法的に栽培されていた大麻畑に踏み込み、一部に損傷を与え、実験を台無しにするという事件が発生した。実験を行っていた大学が明らかにした。

 ワーヘニンゲン大学(Wageningen University)の広報担当が3日、AFPに語ったところによると、栽培されていた大麻の半分以上が被害を受けたという。

 これらの大麻は、布地や紙、合成製品としての大麻繊維の適合性を確認する、合法的な実験の一環として栽培されていた。

 何年も前から行われていた実験は最終段階にあり、実験が成功すればこの新たな繊維の販売が認可される予定だったという。

 広報担当は「損害額を算定しているが、おそらく大きな損失になるだろう」と語り、損害額回収について警察と協議していることを明かした。

 警察当局は2日、推定末端価格440万ユーロ(約5億8000万円)に上る約4万7000株の大麻畑を発見したと発表していた。

 ワーヘニンゲン大学の広報担当によると、栽培されていた大麻は幻覚作用などを引き起こすテトラヒドロカンナビノールの含有量が極めて少なく、乾燥大麻製造には不向きだという。

 オランダでは1976年、5グラム未満の大麻の使用と所持が容認されたが、栽培は現在でも違法。(c)AFP