【8月25日 AFP】マレーシアで女性モデルのカルティカ・サリ・デウィ・スカルノ(Kartika Sari Dewi Shukarno)さん(32)が、ビールを飲んだために、飲酒を禁じるイスラム法に基づいたむち打ち刑を言い渡された事件で、マレーシア政府は25日、刑が「厳しすぎ」、同国の評判を傷つけかねないとして、刑の見直しを行う意向を示した。

 スカルノさんはホテルのナイトクラブでビールを飲んだために7月、宗教裁判所から有罪を言い渡され、むち打ち6回の刑に処されるはずだった。執行されれば、同国で初めての女性に対するむち打ち刑の執行だった。

 しかし当局は前日、スカルノさんを刑務所へ移送する途中で、刑の執行を猶予され突然、釈放された。

 シャリザット・アブドル・ジャリル(Shahrizat Abdul Jalil)女性・家族・社会開発相によると、刑が執行されるはずだった州の宗教高等裁判所の長官が、猶予と刑の見直しを命じた。犯した罪に対し、刑が厳しすぎるとの判断からだという。

 同相は「スカルノさんに対する配慮もあったが、この特別な一件が、公正と正義に基づいてイスラム法を実施しているわが国のイメージを傷つけたかもしれないという点も懸念した」と語った。

 ナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は同日、スカルノさんに控訴を勧めた。(c)AFP/Beh Lih Yi