【8月23日 AFP】米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙は22日、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)が、拘束中の国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーから情報を得るために、拳銃や電動ドリルなどを使って殺害を示唆する尋問手法を用いていたことが分かったと伝えた。

 ワシントン・ポスト紙は、CIA監察官や米当局高官らが、これらの尋問手法がアブド・ラヒム・ナシリ(Abd al-Rahim al-Nashiri)容疑者に用いられたことを明らかにしたと伝えた。

 ナシリ容疑者は2002年11月に拘束された後、CIAの秘密施設に4年間にわたって拘束されていた。また、同容疑者は「水責め」の尋問手法が用いられたことが確認された3人のうちの1人でもある。

 報告書はCIAの監察官が2004年に作成。米人権団体「米国自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)」は、報告書を公開するよう訴えを起こし、ニューヨーク(New York)の連邦判事が編集した上で公開するよう命じた。

 報告書には、協力を拒否した場合には重傷を負わせる、あるいは殺害をすると脅されていた様子が記載されていた。ある場合には、CIAの取調官がナシリ容疑者に拳銃を見せることで殺害の恐怖を与えていた。また、ナシリ容疑者の体のそばで電動ドリルの電源を繰り返し入れたり切ったりすることで脅す場合もあったという。

 米国では、米国民が拘束中の人物に対して殺害を示唆して脅迫することは禁止されている。(c)AFP