【8月20日 AFP】(写真追加)英スコットランドのケニー・マカスキル(Kenny MacAskill)司法長官は20日、1988年にスコットランドのロッカビー(Lockerbie)上空でパンアメリカン(Pan Am)航空103便が爆破され、270人が死亡した事件で服役していたリビア人のアブデルバセト・アル・メグラヒ(Abdelbaset Ali Mohmet Al-Megrahi)受刑者(57)を、「温情的措置」により釈放したと発表した。

 同受刑者は末期の前立腺がんと診断されていた。リビア側は、同国の国際社会への復帰を示す兆候として、釈放を歓迎する姿勢を示している。米政府は、メグラヒ受刑者の釈放に反対していた。

 マカスキル長官は、スコットランドの法律では「正義は執行されねばならないが、慈悲を示す必要もある」ことを求めていることから、余命3か月以内と診断されているアルメグラヒ受刑者に、リビアに帰国して死ぬことを認めたと述べた。同長官は、「(メグラヒ受刑者は)死期を目前にしており、天による裁きに直面している」と語った。

 リビアのトリポリ(Tripoli)では、首相府高官が「(メグラヒ受刑者は)自由の身にあり、あと数時間以内にリビアに到着する予定だ」と語った。これに先立ち、トリポリ近郊にある軍事空港関係者は、メグラヒ受刑者の帰国の準備を進めていると語っていた。(c)AFP/Alice Ritchie