オーストラリア裁判所、四肢まひ男性の尊厳死認める
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【8月14日 AFP】オーストラリア・ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州の裁判所は14日、尊厳死を求める四肢まひの男性の訴えを認め、栄養補給の中止を違法としない判断を示した。オーストラリアでは、尊厳死のほう助行為を犯罪とみなして終身刑を科す州もあり、今回の判断は、尊厳死を合法とする初めての判例となる。
元証券会社社員で野外スポーツ愛好家だったクリスチャン・ロシター(Christian Rossiter)さん(49)は、自転車走行中の交通事故に、高さ30メートルのビルからの転落事故が重なり、重度の四肢まひとなった。
ロシターさんの介護を行っている介護医療施設Brightwater Care Groupは、中立の立場から、尊厳死を希望しているロシターさんへの栄養補給を中止することは治療義務の違反にあたるかどうかの判断を裁判所に求めていた。
ロシターさんは前週、鼻をかんだり、涙をぬぐうなどの基本的な動作もできない状態を「生き地獄だ」と訴えていた。
ロシターさんの訴えについて、ウェイン・マーティン(Wayne Martin)裁判長は、「ロシターさんには、自身が望む治療を受ける権利があり、彼の意志に反して栄養補給が行われるべきではない」と述べた。また、末期患者でないロシターさんには、栄養補給を停止することによる結果説明を理解する判断力はあるとした。さらに、Brightwater Care Groupがロシターさんへの栄養補給を中止しても、刑事責任は問われないとの判断を示した。(c)AFP
元証券会社社員で野外スポーツ愛好家だったクリスチャン・ロシター(Christian Rossiter)さん(49)は、自転車走行中の交通事故に、高さ30メートルのビルからの転落事故が重なり、重度の四肢まひとなった。
ロシターさんの介護を行っている介護医療施設Brightwater Care Groupは、中立の立場から、尊厳死を希望しているロシターさんへの栄養補給を中止することは治療義務の違反にあたるかどうかの判断を裁判所に求めていた。
ロシターさんは前週、鼻をかんだり、涙をぬぐうなどの基本的な動作もできない状態を「生き地獄だ」と訴えていた。
ロシターさんの訴えについて、ウェイン・マーティン(Wayne Martin)裁判長は、「ロシターさんには、自身が望む治療を受ける権利があり、彼の意志に反して栄養補給が行われるべきではない」と述べた。また、末期患者でないロシターさんには、栄養補給を停止することによる結果説明を理解する判断力はあるとした。さらに、Brightwater Care Groupがロシターさんへの栄養補給を中止しても、刑事責任は問われないとの判断を示した。(c)AFP