【8月10日 AFP】長引く不況で路上生活者が増加している米国で、ホームレスに対する襲撃が常態化しつつある現状が、このほど明らかになった。死亡事件も相次いでいるという。

 路上生活者の支援組織・全米ホームレス連合(National Coalition for the HomelessNCH)が7日発表した報告書によると、2008年に発生したホームレス襲撃事件は106件で、うち27件では被害者の路上生活者が死亡していた。最も多いフロリダ(Florida)州では、3件の死亡事件を含む30件の襲撃が発生。このほか、発覚していない襲撃事件も多いとみられる。

 襲撃事件の総数は、2007年の160件からは減少したが、統計を始めた1999年の60件を大きく上回っている。

 襲撃者の73%は25歳以下の若者で、特に十代のグループが集団で襲う例が多い。

 襲撃の動機が不明な場合も多いが、NCHによると、加害者の中には「暇つぶし」や「刺激や楽しみを求めて」襲撃を行ったと答える者がいるという。

 こうした現状について、NCH役員で、自身も襲撃された経験を持つ元路上生活者のデービッド・パートル(David Pirtle)氏は、「肝心な点は、人間には家が必要だということだ。連邦政府が低価格の終身住宅に十分な予算を投入するなら、路上生活者の数は減り、襲撃事件も減るはずだ」と述べた。(c)AFP