【8月3日 AFP】オーストラリアで、うそ発見器にかけられた少女が、母親にレイプ体験を無理に告白させられたラジオ番組に非難が集中し、番組は放送中止に追い込まれた。

 問題の番組は、シドニー(Sydney)のラジオ局「2Day FM」が7月29日に放送した「カイル・アンド・ジャッキー・オー・ショー(Kyle and Jackie O Show)」。うそ発見器を実験する内容で、14歳の少女が母親と出演。母親は少女が以前、性的暴行を受けたことがあることを知っていながら、性的体験があるかどうかを話すよう催促した。

 少女は放送中に泣き出し、「この話はもうしたでしょう。笑いながらわたしを見ないで。これはちっとも面白いことじゃない」と言って最後に「分かったわよ。言えばいいんでしょう。わたしは12歳のときにレイプされたわ」と語った。

 さらに番組の司会者カイル・サンディランズ(Kyle Sandilands)氏が「なるほど。今までにあった性的体験はそれだけ?」と無神経な応答をし、共同司会者があわててそのコーナーを終わらせた。

 番組後、「2Day FM」は、視聴者や心理学者、放送関係者、児童保護当局や性的暴行被害者の会などから、非難の集中砲火を浴びた。

 批判の先頭に立ったケビン・ラッド(Kevin Rudd)豪首相は31日、「本当にひどい。間違っている。放送されるべきではなかった」と憤りを表した。

 また、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州政府は警察と福祉当局に、少女の性的暴行被害について調査を命じた。
 
 司会のサンディランズ氏はテレビのリアリティーショー「オーストラリアン・アイドル(Australian Idol)」の審査員なども務め、普段から単刀直入で挑発的なコメントで知られるが、今回の批判に対し「少女の過去についてはなにも知らなかった」と釈明した。

 同ラジオ局は2日、サンディランズ氏は現在「仕事ができない」状態だと発表した。また、局内の放送規約を見直すまで、番組は放送中止にするという。(c)AFP


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