【7月30日 AFP】スーダン・ハルツーム(Khartoum)の裁判所は29日、ズボンをはいていたのは「みだら」だとして逮捕・起訴された女性記者、ルブナ・フセイン(Lubna Ahmed al-Hussein)被告の裁判を一時中断し、判決の言い渡しを来月4日に延期した。

 フセイン記者は今月3日、ズボン姿で飲食店にいたところ、踏み込んできた警察に同行を求められた。他にズボンをはいた女性12人が警察に連行され、うち10人は2日後に警察署に出頭し、むち打ち10回の刑を受けた。フセイン記者によるとこの中の何人かは、イスラム法(シャリーア、Sharia)が適用されない南部出身の精霊信仰者やキリスト教徒だった。

 フセイン記者を含む3人は、スーダンの法律で「わいせつ行為に及んだ、または公衆道徳に反した、あるいはみだらな服装をした」罪で起訴された。有罪が確定すれば、むち打ち40回の刑と罰金250スーダン・ポンド(約9500円)が科せられる。

 フセイン記者の弁護士によると、同記者が国連スーダン派遣団(United Nations Mission in SudanUNIMIS)の報道部でも働いていることから、裁判官は国連要員としての訴追免除を受けるか、その権利を放棄して裁判を続けるかを選択させた。フセイン記者が訴追免除を放棄すると、裁判官は判決の言い渡しを来週に延期したという。

 29日、フセイン記者はモスグリーンのズボンにゆったりした花柄のブラウス、緑色のヘジャブ(イスラム教徒の女性が被るヘッドスカーフ)という、逮捕当時と同様の服装で出廷。満員の傍聴席の前で、「国連を辞め、裁判を続けたい」と決意を述べた。

 判決を聞こうと法廷に詰めかけた人びとの大半は、フセイン記者を支持する女性らで、団結の印として同様のズボンをはいた支持者らもいた。

 スーダン警察は、フセイン記者の扱いを女性に対する抑圧だと非難する記事を書いた別の女性記者についても、名誉棄損の罪で起訴している。(c)AFP